BSプレミアムでやっていた『トゥルーグリット』を観ました。

2010年の作品で、監督がコーエン兄弟、制作総指揮がスピルバーグ。
アカデミー賞10部門ノミネート(ただし受賞はなし)という錚々たる作品です。

でも、僕はこの作品の存在を知らなかったんですよねえ・・・
僕は、映画を観る時期と観ない時期に波があって、観ない時期に嵌っていたのかも・・・
それにしても、なぜ知らなかったのか、自分でも良く分かりません。

起用した人材が凄くても、才能が十分に生かしきれず作品はイマイチということは多々ありますし、複数の有名人を起用している場合は、十分にシナジーが発揮できなくて腰砕けに終わってことも多いです。
しかし、本作はコーエン兄弟のストーリーテリングの巧みさと、スピルバーグの映像作りの丹念さがうまく融合している良作でした。

さて、今年『レヴェナント』を観て衝撃を受けました。

レビューは以前書いた通り。
『レヴェナント:蘇えりし者』を観て、改めてアメリカと戦争したのは間違いだったと思った

『レヴェナント』を西部劇と呼んでいいのかは分かりませんが、西部開拓時代を扱った作品とは言えるでしょう。
日本で言うと、時代劇みたいな感覚なんだろうと思いますが。

『レヴェナント』は、この『トゥルーグリット』の影響をかなり受けているんじゃないかと思いました。
いずれにせよ、西部開拓時代を扱った映画は、昔ながらの西部劇ではなく、新しいタイプのものが出て、進化を遂げている。
その延長線上で生まれたのが『レヴェナント』だと思うんですが、一足飛びにこの作品に行ってしまったので、すごく新しい感じがしたのかもしれません。
『トゥルーグリット』と先に観ていたら、だいぶ認識も変わったかも。

父親を殺された14歳の少女マティ・ロスが、連邦保安官コグバーンとテキサス・レンジャーのラビーフとともに犯人に復讐をする、という映画です。

まあ、なんというか、アメリカ人ってタフだなあ。
無法者と戦い、先住民族を押し出しながら、土地を開拓して領土を広げていった。

14歳っていうと中学校2年生ですよ。
日本ではキャピキャピ(死語?)した少女時代を過ごしているころです。

それが、この映画の中は、14歳の少女が銃を撃って人殺したり、蛇にかまれて腕を切ったりしている。
まあ、ヘビーですわ。
って駄洒落じゃないけど。

狩猟民族であるアングロサクソンが、未開の地に世界一の文明を打ち立てたのがアメリカです。
ヤマト民族とは、生きてきた歴史が全然違う。
ハリウッド映画は普遍性があるので、誰が見てもそれなりに楽しめるのですが、実はアメリカ人のメンタリティーとか、アメリカという国の特質が色濃く出ていて、それが理解できていないと十分に楽しめないというのが実際だと思います。
外国人が『シンゴジラ』を観ても、「会議のシーンが多い、怪獣映画」以上のものとして捉えにくいのと同じようなものかも。

映画評論家の町山智浩氏によると、本作品は復讐を貫徹する一方で、主人公たち、特にマティは神によって罰せられているんだそうです。
敵を打ち殺した反動で蛇の穴に落ちて、蛇にかまれて腕を失うのですが、それが復讐を行ったことに対する神の罰なんだそうな。
その辺も、日本人にはすんなり入ってこないところかも。
歴史や文化のみでなく、宗教観が現れている作品なんですねえ。

映画を観ていると、20世紀以降のアメリカ社会の大きな転換点が2つあったことがわかります。
1つ目がベトナム戦争
2つ目が911テロ

第2次世界大戦は、日本にとっては大きな転換点ですが、アメリカにとっては大きな出来事であっても、社会秩序というか、社会思想を変えるものではなかったんじゃないかと思います。
彼らにとって、第2次世界大戦は正義の戦争で、日本人原爆を落としたことさえ正当と見なしてきました。
一方で、ベトナム戦争は間違った戦争であったという認識がある。
さらに、911のテロとそれに対する報復戦争を経験して、「たとえ自分たちが正義だったとしても、その行使には多大なる犠牲を伴う」という意識が強まっているんじゃないかと思います。

『レヴェナント』にも、『トゥルーグリット』にも、そうした意識がにじみ出ている感じがします。

いやー、映画って本当にいいもんですね~
それでは次週をご期待ください。
サヨナラ サヨナラ サヨナラ ♪


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