『悪人』に続く、吉田修一×李相日 の映画作品ってことで、行ってきました。

怒り

映画『怒り』公式サイト

結論から言っておくと、観る価値のある良い映画です。
映像1シーン1シーンが丹念に作り込まれていて、見応えがあります。
旬な俳優を使っていますが、話題性だけでなく、しっかりとした演技をしているので、ドラマとして優秀。

ここからはストーリー(ネタバレあり)。
八王子で起きた夫婦殺害事件が主軸になっているのですが、犯人の可能性がある3名の男を柱とする3つの物語が平行して進んで行きます。
実力がない人が撮ると、散漫になったり、観る人を混乱させたりするのですが、その辺はしっかりと物語を動かしてくれています。
中盤くらいになっても、事件と3人の男との接点があまりなく、ちょっとダレてきそうなタイミングで、別の事件が起こります。

そこから徐々に収束に向かって行くわけですが・・・

ミステリーであれば、3人が絡み合ったりして伏線が回収されたり、その間に謎解きがあったりするのですが、本作はそういうたぐいの映画ではありません。

そういう意味では、犯人と直接関係するストーリー以外は「何の関係もなかった」ということになります。
ただ、殺人事件に翻弄されながら、自分の生きる道を模索しているという点で、サブストーリーとして主従関係をつける物ではない。
なので、本作はヒューマンドラマとして観るべきだと思います。

文明が進歩して、地縁、血縁に依存せず、出自が分からない人と関係を取り結ぶ時代になってくると、関係性の中に不安や信頼といったドラマが生まれます。
こういう見知らぬ人との関係を描くのは、アメリカ映画なんかで非常に顕著なんですよね。

前作の『悪人』もそうなんですが、見知らぬ人と深い関係を築いた人の過去が明らかになってきて、関係が揺らぐ中で、どう関係性を取り結ぶのかというのがテーマになっていますね。
日本映画もこういうタイプのものが増えて来たなあ、と思います。

最後にちょっと批判的なところも書いておきます。

・複数のストーリーが交錯するため、1つ1つのストーリーが薄くなりがち
これは2時間ちょっとの時簡に押込めざるを得ない以上、やむを得ないと思いますが)

・タイトルの「怒り」が十分に消化できていない。
別に誰でも分かるように説明する必要はないと思いますが、少なくとも問題提起的なところはあっても良かった。
例えば『悪人』では、「悪とは一体なんなのか?」というテーマに解答は与えてないけど、観る人たちに問題定期をしています。
「怒り」を明示しないのは意図的だと思いますが、その効果は良くわからないというのが本音。

さて、本作で驚いたのが、俳優の使い方です。
妻夫木聡と綾野剛のラブシーンがあったり、広瀬すずがレイプされるシーンがあったりして、衝撃的です。
旬の俳優にここまでやらせて大丈夫か?と思いました。

全体としては、観る価値のある良い映画でしたが、『悪人』は超えられていないかな・・・と思いました。

いやー、映画って本当にいいもんですね~
それでは次週をご期待ください。
サヨナラ サヨナラ サヨナラ ♪


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