今年の夏は、毎週火曜日の夜にBSで『男はつらいよ』を見るのが習慣になっています。

昨日は放映時に家に帰れなかったので、録画してみました。

今回の放映は『男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け』。

1976年公開で、シリーズ17作目となります。
この辺になると、すでに夢落ちで始まるというフォーマットが固まってるんですねえ。

本作も名作と言われていますが、そもそもBSで放映しているのは選りすぐりなんでしょうね。

飲み屋で知り合った貧乏くさい老人が実は有名な画家で、その老人一緒に旅する途中で知り合った芸者の「ぼたん」と恋に落ち・・・というストーリー。

芸者役は太地喜和子。
往年の大女優ですね。
寅さんとの相性は、こういう水商売系のきっぷの良い女性の方が面白いですね。

さて、この「ぼたん」が悪い男に200万円を騙し取られたという設定になっており、後半はこれを軸に物語が展開します。

この時代の大卒初任給が9万円程度と言いますから、物価水準はいまの半分くらいでしょうか?
いまで考えると400万円くらいの価値ですかね・・・

詐欺の手法が、出資金を募って計画倒産するという方法です。
手口は当時より高度化しているとは思いますが、昔も今も変わらないなあと思います。

そう言えば、詐欺系のワインファンドが破たんしたりしてたなあ。

それはさておき。
当時の200万円、いまでの400万円の借金というのは、やっぱり世間一般的には大金ですよねえ・・・
と他人事のように書いていますが。

本作が名作の誉れが高いのは、「人を欺いてお金を儲けるより、人のために尽くし、人から愛される方が幸せ」というベタだけど明快なメッセージが素直に表現されているからじゃないでしょうか?

僕も、不覚にもラストはうるっときました。

寅さんが失恋していないのも特徴かもしれません。
むしろこれからに期待を持たせるような終わり方をしています。

最後に、小ネタを少々。

この作品の舞台となる「龍野」が魅力的だと思いました。
現地の役の人たちが関西弁なので、関西なのかなあ・・・
と思って調べてみたら、兵庫県の「たつの市」(旧龍野市)でした。
「播磨の小京都」と呼ばれる古い街並みが残る街です。
「赤とんぼ」の作詞者である三木露風の出身地で、映画のサブタイトルや映画の中のシーンでもその事実が小出しにされているので、要注意です。

もう一つ。
ちょっとしか出てきませんが、老画家、池ノ内青観の恋人役(?)の志乃というおばあさんがいます。
この役を演じている、岡田嘉子という女優さん。
あまり知られていないかもしれないですが、戦後の日本の女優で最も波乱万丈の人生を送った人だと思います。
数々の浮名を流した挙句、共産主義の演出家杉本良吉と恋に落ちてソビエトに亡命。
二人ともソビエトで拘留され、杉本は処刑される。
岡田嘉子も長年監獄で過ごします。
解放されて帰国した後に出演したのがこの作品。
物静かな女性の役ではありますが、それを演じた岡田嘉子の激しい人生を知った上で見ると、別の見方もできるかもしれません。


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