リオは治安が悪いようですが、大きなトラブルもなく(?)五輪が運営されていて何よりですね。

さすがに、テロリストはリオまで出張はしなかったみたいです。

さて、過去に五輪でテロ事件が起きました。
1972年のミュンヘンオリンピックです。

ミュンヘンオリンピック事件

パレスチナの武装組織によって、イスラエルのアスリート11人が殺害された、痛ましい事件です。

この事件を元にした映画が、スピルバーグ監督の『ミュンヘン』です。

この作品は、テロ事件を描いた映画だと思っていましたが、メインは事件後のイスラエルの報復です。
ハリウッドはユダヤ系の影響力が強いし、スピルバーグ自身がユダヤ系です。

なので、本作品もユダヤ寄りの描き方がされているのかな・・・と思ったのですが、そうではありませんでした。
実際、イスラエル側からもパレスチナ側からも批判されたそうです。
物議を醸す作品をあえて撮ったスピルバーグはそれだけで評価できます。

この作品は、報復をする人たちが描かれていますが、決して「正義の人」としては描かれていないんですよ。
報復とはいえ、人を殺さなければならないことの葛藤を抱えている。
報復の過程で関係ない第三者を巻き込んでしまうし、同胞が殺されてしまったりする。

殺害シーンも、淡々としているのですが、それが恐ろしいんですよね。

テロもそれに対する報復も、誰も幸せにしないことが分かります。
観た後はスッキリせず、モヤモヤを抱えてしまいますが、それだけに後に残る良い作品だと思います。

スピルバーグの最近の作品に『ブリッジオブスパイ』がありますが、それを想起させるような緊密な作品でした。

現代史ものの名作『ブリッジ・オブ・スパイ』

両作品とも、時間は長いけど、映像の1シーン1シーンが緊張感があるし、ストーリー展開も上手いですね。
スピルバーグのSF作品を観ていた時はあまり気づかなったけど、スピルバーグは映像の切り取り方やストーリーの運び方が絶妙に上手いです。

本作をスピルバーグ以外の監督が撮ったら、もっと弛緩した作品になったんじゃないでしょうか?

『ブリッジオブスパイ』に続き、超一流の映画人スピルバーグの実力を堪能できる映画でした。


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