シンゴジラ

『シンゴジラ』に関する3回目のエントリーです。

『シンゴジラ』は本当に名作なのか?(1018本目)
『シンゴジラ』で描かれている日本人の愛国心

なんだかんだ言って、多くの語るべきことがある映画なんですよね。

「ゴジラとは何なのか?」ということはこれまでも議論されてきたことです。
今回の『シンゴジラ』は初代ゴジラを踏襲しながら、東日本大震災も意識してゴジラの造形がなされていますね。

ハリウッド映画における「敵」は宇宙人だったり、テロリストだったり、ナチスだったりと、外部からくるものが多いですね。
あるいは犯罪者や精神異常者といった、共同体内部の「異物」であることも多いです。

ゴジラはそういうものではないんですよね。

『シンゴジラ』の中でもセリフでしっかり語られていますが、ゴジラは「荒ぶる神」です。
そして、荒ぶる神とは「自然の脅威」です。
原子力廃棄物の投棄により、自然が破壊され、暴走する。
それが「荒ぶる神」となって人間に罰を与える。
初代ゴジラからそうなんですよね。

今回のゴジラは、放射能をまき散らしています。
まさに原発の象徴ですね。
自然を手なずけようとした人間が、それに失敗して、自然から逆襲を受けるという分かりやすい図式になっていると思います。
そういう意味では、ゴジラは、それを倒す立場にある人間自身が作りだしたものです。

一方で、『エヴァンゲリオン』の方は聖書がモチーフになっていると言われますが、そもそも「使徒」が何で、どうして「使途」が人間を襲うのか良く分からない。
そういえば、ユダヤ教やキリスト教の神は、非合理的だと何かで読んだ記憶があります。
近代合理主義を生んだキリスト教の神が非合理的というのは逆説的ですが、実際にそうなんですよね。
人間への罰の与え方が、必然性がなくて、理解不能なんですよね。

『シンゴジラ』のゴジラは『エヴァンゲリオン』の使徒だ!

という人もいますし、実際それを想起させるようなシーンもありますが、出自から見ると、ちょっと違う気もします。

ゴジラを倒す「ヤシオリ作戦」は、『エヴァンゲリオン』の「ヤシマ作戦」を想起させますが、ヤシオリ(八塩折)というのは、ヤマタノオロチを酔わせるのにスサノオノミコトが使った酒なんですよね。
ちなみに、ヤマタノオロチは水神を意味しており、洪水の化身を表すと言われています。
それを退治することは治水を意味するんだそうです。
自然災害を収めることができるリーダーが権力を掌握し、そこに国家の成立基盤が生まれる・・・とまあ、そういうことなんですよね。

『シンゴジラ』は「荒ぶる神=自然を治めることによって、国家の存立基盤を固める」という、国家統一神話を踏襲してるんでしょうね。

『エヴァ』が聖書のオマージュだとすると、『シンゴジラ』は古事記のオマージュではないかと思います。


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