『64(ロクヨン)』前編を観てきました。
本作は横山秀夫氏の原作の映画化。

「半落ち」も結構良かったですが、本作も良かったです。

有名な俳優さんがたくさん出てきますが、こういう「有名人勢揃い」的な映画は、凡作が多い気がします。
タレント頼りになって、作品の質が疎かになったり、船頭多くして・・・みたいなことになるんでしょうね。

でも、本作は、俳優の知名度に流されず、映像も、構成もしっかりした作りになっています。

主役の佐藤浩市は、屈折した警察の中間管理職を非常に良く演じています。
警察の内部事情が凄く詳しく描かれているなあ・・・と思ったら、原作者の横山さんは、元新聞記者だったんですね。
記者として、警察の広報と関わってこられた経験がかなり生きているんだろうな・・・と思いました。

昭和64年(昭和天皇が亡くなった年)の雰囲気もかなり上手く再現されていて、丁寧な作りだと思いました。

一点、 残念だったのは、多くの要素が後編に先送りされている点です。
前編単体では十分に楽しめない。

『るろうに検心』は、前編、あるいは後編だけでもちゃんと楽しめるないようになっていたのとは対照的です。

まあ、ちゃんと『前編』『後編』とタイトルに入っているので、その点は許容できます。

昔は、3時間〜4時間の大作映画が結構ありましたが、最近は上映回数を最大化させて収益を上げるという点から、長時間の映画は歓迎されないようですね。

そこで、2本に分けたりする訳ですが、これは諸刃の剣的なところもあります。
前編でこけても、後編は上映しないというわけにもいかないですからね。
一方で、上映館や上映回数を柔軟にコントロールできる現在だからこそ、その辺もリスクヘッジできるようになっているのもあるかも。

日本映画は、アクションやSFでは、ハリウッド映画の劣化版になってしまうことが多いですが、ミステリーはいい線いってると思います。

『アヒルと鴨のコインロッカー』『フィッシュストーリー』『容疑者Xの献身』『真夏の方程式』『嫌われ松子の一生』『告白』・・・
どれも良作でした。

原作の書き手の層が厚いのと、制作コストがさほど膨らまなくて済むからでしょうか。

余談ながら、原作者の横山秀夫氏は『半落ち』で直木賞と決別してしまいました。
伊坂幸太郎も直木賞レースから自主的に離脱されました。
一流の作家から距離を置かれる直木賞って・・・大丈夫なんでしょうかね?


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