アメリカという国は、日本と関係が深く、大きな影響を受けているだけに、かの国のことを良く知っているような気になるのですが、実は日本とは根本的に異なった国だと思います。

NYに赴任していた先輩が、「アメリカと日本の一番の違いは、アメリカ人は(国に頼らず)自分でなんでもやろうとするところだ」と言っていました。

逆に言うと、国は国民のためにいろいろ面倒は見てくれない、ということになるのでしょうか?

というわけで、週末にDVDでマイケル・ムーアの『シッコ SiCKO』を観ました。

“Sicko”って聞きなれない単語だけどどういう意味だろう?

と思って調べたら、何のことはない”Sick(病気)”のスラングなんですね。
あまり良い意味ではないようですが、「この病人が!」みたいなイメージでしょうか・・・

この映画は、アメリカの医療保険制度に関するドキュメンタリー映画です。

アメリカは日本で言うような国民健康保険のような「公的保険」は存在しないんですよね。

僕も勘違いしていたのですが、オバマケアは「公的保険」を整える制度ではなく、民間の健康保険を購入し訳するするための改革だったんですね。

それはさておき、この作品では、医療保険に入れずに、高額の医療に苦しむ人たちを描かれています。
と言っても、マイケルムーア作品なので、皮肉でユーモアに満ちた描かれ方をしていますが。

イギリスやフランスの例が出てきますが、これらの国々は日本よりも医療制度が手厚いんですね~
欧州と比べると、日本の医療制度は遅れているという見方もできるのかな…と思いました。

後半で面白かったのが、グアンタナモ強制収容所が、収容者に対する医療制度が整っているのを聞きつけて、病人を連れてボートで乗り込もうとするところです。
当然ながら、上陸は拒否され、ボートはキューバに向かいます。

いまでこそ、関係は改善されていますが、キューバ革命以降、キューバーはアメリカの不倶戴天の敵なんですよね。
キューバは貧乏国ですが、医療制度は充実しています。
何といっても、革命の立役者であるチェ・ゲバラ自身が医者でしたからね。
キューバで手厚い治療を受けたアメリカ人が、元気になって本国に戻っていきます。

日本人だとあまり分からないかもしれないけど、これはアメリカに対する強烈なイヤミなんですよね……

大統領選の報道を見ていて、「アメリカという国はなんか変だぞ?」と思う機会が増えています。

アメリカと言えば、ハリウッド映画であり、ポップミュージックであり、ジョブズやザッカ―バーグ等のカリスマ起業家を輩出した国であり、TEDで見るようなクリエイティブな人たちを受け入れる国であり、スタバやディズニーやマクドナルドを生んだ国であり……といったところでしょうか。

そんなこんなで、「世界で最も進んだ国」というイメージを抱きがちですし、実際そういう面もあるでしょう。
一方で、自助努力をしない人やできない人、弱者にとってみれば、厳しい国でもあるんだなあ・・・と思いました。

マイケルムーア自身は、自国の批判として映画を撮っているわけですが。
それを日本人が見ると、アメリカという特殊な国ついて、テレビやネットで日々目することから形成されるイメージとはまた別の姿を開示してくれるという、別の価値があると思うんですよね。

マイケルムーア作品は、映画館で見るべきか否か迷いますが、どれも見る価値はあると思います。


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