*一回間違って、下書き段階のものを公開してしまっていましたが、再度完成版を投稿します*

働く人がみな平等に報われる社会を実現させよう!

そんな壮大な試みをしたのが社会主義革命なのですが、その試みは結局は大きな失敗に終わりました。

社会主義はもはや過去の遺物です。

最近、DVDでアンジェイワイダ監督の『大理石の男』を観ました。

アンジェイワイダはポーランドの映画監督の巨匠です。

この監督の作品を観るのは、『灰とダイヤモンド』『地下水道』に続いて、三作目ですが、革命や戦争と言った、現在の僕たちとは距離のある世界を描きつつも、人間の本質をえぐり出されています。
逆に、極限状況に置かれた人間を描くことで、普遍的な人間の本質が浮き彫りにされているともいえる。
だからこそ、現代に生きる僕たちにとっても、アクチュアルなものであり続けていると言えましょう。

さて、『大理石の男』は、社会主義政権時代のポーランドで煉瓦積みに才能を発揮した、労働英雄ビルクートの物語です。

面白かったのが、煉瓦を早や積めるという才能があり、それを示すことで、英雄になれたということ。
実際にモデルとなった労働英雄が実在したそうです。
ところが、ビルクートは政治紛争に巻き込まれて、徐々に立場が悪化していく・・・
映画の中では明確ではないですが、どうも最後は殺されたらしいということが示唆されます。

資本主義社会に生きる僕たちにとっても、他人事とは思えない物語です。

はたして意味があるかどうか分からない仕事で業績を上げて出世する。
社内政治に巻き込まれ、それに敗北して不遇の地位に追いやられる。
ビルクートほど悲惨ではないまでも、こういうことはどの会社にも起こりがちなことです。
実際、僕の勤務先でも・・・
まあ、これ以上はマズいので控えましょう。

この映画が救いがあるのが、ビルクート以外に、もう一人の主人公である映画学校の生徒アグニェシカの存在です。
彼女は卒業制作でこのビルクートのドキュメンタリー映画を撮ろうとします。
まわりの圧力を受けながら、ビルクートの足跡を追っていくことで、彼の人生が徐々に明らかになっていく、という構成。

『市民ケーン』と同じ構造です。

『嫌われ松子の一生』も同様ですね。

こういう構造は、ある人の人生と、それに触発されるもう一人の人生と、二つの人生を交錯させることで物語に深みが生まれるんですよね。

『大理石の男』においては、ビルクートの人生は悲惨なものだったけど、アグニェシカがそれに触発されて、自分の人生を見つけていく。
それだけでも、ビルクートの死無駄死にではなかった。

時間も長く、正直、盛り上がりにも欠けて、退屈な部分もある作品ですが、いろいろ考えさせられる作品です。


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