BSプレミアムで、『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』をやっていたので観ました。

不覚にも、この作品の存在自体を知らなかったんですけど、良い映画でしたね~!
思わぬ拾い物をした感じです。

この映画、主人公の一族がたまたまタイムトラベルの能力を持っていて(ただし、その能力があるのは男性のみで、過去しか行けない)、過去に戻って人生をやり直す・・・という話です。

狭くて暗い空間に入って念じるだけでタイムトラベルで来てしまうという、B級の低予算映画にありがちな安直な設定なんですが、作品自体はすごく丁寧に綿密に作られています。

ドーナル・グリーソンがイマイチパッとしない主人公をうまく演じているし、レイチェル・マクアダムスは地味ながらも可愛らしい相手役を務めていて、配役もなかなか良いです。

僕の好きなマーゴットロビーも、脇役(主人公の初恋の女性訳)で出ていて、魅力を振りまいてくれています。

*** ここからネタバレあります ***

で、主人公は過去に戻って、魅力的な女性を見つけ、何度もやり直しながら、幸せな家庭を築くのですが、最終的にはやり直しのきかない日々の生活に価値があることを実感し、過去に戻るのを辞めて日々を愛おしみながら生きていく・・・という結末になります。

文章で書いてしまうと、身も蓋もないんです・・・

映画の中でも、過去に何度も戻りながら、人生をやり直すことで、主人公は自分の力で変えられることと変えられないことを学び、よりよく生きるための知恵を身に着けていくんですよね。

同じタイムトラベルの能力を持つ、主人公のお父さんの存在が秀逸で、彼は過去に遡って何をするかと言うと、ディケンズの小説を何度も読むんですよね。

ちなみに、イギリスにおけるディケンズは、日本で言えば夏目漱石で、「国民的作家」と言える存在です。

お父さんは、大成功してやろうとか、大金持ちになってやろうとか、美女と結婚してやろうとか、そういう野心は持っていない。

主人公も、そういう父親に敬意を払い、タイムトラベルの神髄について、この父から学ぶところも多かったんですよね。

「家族を大切にしよう」というのが、この映画の裏メッセージですね。

僕自身は、母親にお金を盗られてしまったこともあり、不本意ながら家族とは絶縁状態ですし、自分自身が配偶者を見つけることもなく、いまも一人で生きているわけですが・・・

僕自身、いまは「過去に戻ってやり直したい」とは全く思っていません。

以前は、

「田舎の教育レベルの低い家庭に育ったせいで、苦労させられた。小学生に戻ってやり直せるなら、もっと自分は成功できたのに!」

「就職活動をもっとうまくやっていたら、自分に向いた仕事に就けたのに!」

と思っていました。

恋愛に関しても、「あの時もっとうまくやっていれば・・・」と思う相手が2人くらいはいます。

でも、いまは過去に遡る能力があったとしても、「今で十分幸せだし、やり直すのも面倒くさいからこれでいいや」と思えるんですよねえ。

主人公ほどポジティブではないかもしれないけど、基本はいまの生活に満足しています。

そんなこんなで、この映画に共感されるところは多々あったんですが、会社員時代に観ていたら、また別の影響を受けていたかなあ・・・と思います。

 

 


2件のコメント

  1. aki

    はじめまして。去年こちらのブログを見つけまして、ちょこちょこ読ませていただいています。昨日からたまたま、過去の事や自分の生まれ持った境遇についてぐちぐち考え、あの時こうしていれば、、今のこの状態は間違っているのではないか、などぐるぐると考えていました。そして今朝この記事を読んで少し救われた気分になりました。
    「家族」はわたしも苦手な分野です。仲の良い家族を見ると、いいなあと思ってしまう自分もいます。なかなか、万楼さんのように達観した気持ちになれないときもありますが、意外と「まあ、どうでもいいや」という心持ちが助けてくれたりもするなあと思っています。

    返信
    • bucketlist

      akiさん。コメントありがとうございます。
      参考にしていただけて幸いです。
      僕自身、過去について思い悩んだり、やり直したいと思う時は、現在がうまく行ってない時なんですよね。
      現状を変えれば解決するのに、変えられない過去を悔やんでしまうんですよねえ。
      宜しければ、映画を観てもらえれば、得るものがあるかもしれません。

      返信

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