NISAの恒久化が見送りになったようですね。
金融庁は老後2000万円必要レポートなんかで批判されたりもしていますけど、やっていることは間違っているともズレているとも思わないですねえ。
いまの時代、老後を生き抜くには自助努力が必要ですが、iDeCo(確定拠出年金)とNISAをフル活用すれば、節税効果を発揮しながら、十分な老後の備えを得ることが可能です。
逆にそういう風に制度設計がされているんですよね。
NISAに関しては、本来はあまり潤沢な金融資産がない人でも、長期的な資産運用をやりやすくして、将来の資産形成をサポートする制度だと考えています。
だからこそ、上限が儲けられていて、投資資金が潤沢な金持ちが優遇されないような制度になっているんですよね。
だから、本来は「富裕者優遇」とかいわれる類のものではないのですが・・・
ただ、NISAを利用する人って、自分で情報を調べて、損得勘定ができて、実勢に活用できるだけの知識と行動力を持った人なんですよねぇ。
そういう人の大半はそれなりの収入もあるはずなので、結果的には富裕層とは言えないまでも、中流層以上くらいを対象とした制度になってしまっているんですよねぇ。
世の中には、月4万円程度の貯金ができない人はたくさんいます。
貯金はできても、そのお金をどう運用するのが有効かを調べて、判断することができない人もたくさんいます。
結局、すべての人に平等に与えられた素晴らしい制度でも、それを有効に使えるか否かで格差が生じてしまうことになってしまうんですよねぇ。
自己責任といえば自己責任なんでしょうが、大成功した人が「稼げないやつは本人が悪い」と言っているのと同じことで、人によって能力や努力には差があることは前提としていかに制度を運用するかまで考えないとダメなんですよねえ。
いずれにしても、NISAの恒久化は進めて欲しいし、万人が利用できるようにわかりやすい制度にしつつ、啓発活動も進めて欲しいところではあります。