一昨日のことですが、大戸屋がオイシックスとの提携を発表しましたねえ。
コロワイドの株主提案が却下されたことにより、大戸屋にTOBをかけてきている中ですが、その防衛策であることは明らかです。
大戸屋ホールディングス (2705)の株は300株だけ保有しています。
株価は買値から3倍以上になっているので、不満はないんですけど、元々は会社を応援するつもりで株を買ったんですよね。
当時は、いまほど店舗はたくさんなかったんですが、池袋や新宿には良く行っていたので、そのたびに大戸屋で食事をしていました。
値段も安く、味も美味しく、栄養のバランスの取れた食事ができる唯一無二の存在でした。
ここ10年くらいは、相次いで値上げした上に、量も少なくなってきています。
店舗は綺麗でおしゃれになっていますが、「日常的にご飯を食べる場所」としての価値は下がってしまいましたね。
いま僕が学生や新入社員だったら、当時のように頻繁に利用はしないと思います。
実際、いまでも株主優待の消化以外では利用しなくなってしまいました。
実家がずっと飲食店をやっていたのですが、飲食店の経営って微妙なバランスが崩れると急激に悪化してしまうんですよね。
近くに競合のお店ができたとか、流行ったのは良いけど味が落ちたとか、スタッフの質が下がったとか、ちょっとしたきっかけでお客さんが離れてしまうんですよね。
大戸屋はここ10数年の間、悪手を打ち続けてきたと思います。
資本主義と言うのは万能ではないですが、良く出来ているところもあります。
経営を株主が監視するという機能によって、経営の不備が是正される可能性がある。
敵対的買収は、あまり歓迎できることではないですが、大戸屋がこのまま沈んでいくのであれば、コロワイドに買収されたほうが良いし、それを防衛するために、大戸屋も対策を講じざるを得ません。
オイシックスとの提携が、大戸屋のビジネスにとって吉と出るか凶とでるかはさておきですが……
ちなみに、大戸屋からは先週電話がかかってきて、「コロワイドのTOBに応じないで欲しい」という要請を受けましたが、「そうであれば、もっとお客さんと株主に報いるような経営をしてください」と伝えました。
なお、TOBには申し込む予定です。
『半沢直樹』を観なくても、リアルでああいう世界に関わることができるのが、株式投資の醍醐味と言えるでしょうね。
池井戸潤さんが、数年後にこれを題材に小説にして、ドラマ化されるかもなあ……なんて思います。