経済活動は再開されつつありますが、まだ家計が大変な人も多いかと思います。

特に飲食店は大変で、「#居酒屋閉店ラッシュ」のハッシュタッグが拡散していました。

ワタミも65店舗を閉店しますね。

居酒屋大手 ワタミ 国内65店を閉店に 新型コロナ影響

個人経営のお店だと、経営が立ち行かなくなると、倒産するしかないのでしょうか??

というところですが、実際のところ、倒産する飲食店も事情は色々あると思うんですよね。

そもそも、新型コロナとは関係なく、飲食店の閉店率は1年目で約3割、2年目に約5割が閉店し、3年目に7割と言われています。

70%の飲食店は3年で閉店する。その理由と経営感覚を身につける方法

新型コロナとは関係なく、「半分の飲食店は2年で潰れる」ということなんですよ。
つまり、新型コロナ禍で潰れるお店が増えていますが、過半数は「いずれにしても数年のうちに潰れる運命にあった」ということなんですよね。

福島県南相馬市に本社がある「木乃幡」が去年自己破産しました。
「凍天(しみてん)」(「しみけん」じゃないよ!)で有名なお菓子メーカーです。
「原発事故による風評被害で経営が悪化して倒産した」と言われています。

例によって(?)、民主党支持の知人は「自民党の原発行政が招いた倒産だ! 十分な補償もしないで老舗企業を倒産に追いやった!!」と憤っていました。

そのニュースを見て福島出身の女の子に「倒産しちゃったねえ。あそこの凍天(しみてん)好きだったんだけどなあ」と言ったら、彼女はこう答えました。

「あそこの社長、経営能力がないんですよ。震災復興予算がじゃぶじゃぶ付いたのに調子に乗って、必要もない工場作ったりするから!」と冷ややかでした。

で、「新型コロナを理由にお店を潰す」っていう選択もあると思うのです。

そうすれば、「経営能力がなかった」ということではなく、「新型コロナで経営難に陥った」と責任転嫁できるから、世間体も悪くないし、再出発もしやすくなりますからね。

こういうことを書くのも、僕の実家が祖父母の頃から飲食店を経営していて、いまで3軒目なのですが、これまでの2軒はすべて経営難で廃業しているんですよ。

1軒目は、不動産と経営権を負債とともに第三者(知人)に買い取ってもらうことで始末しました。おかげで破産は免れたのですが、経営を引き継いだ知人も経営がうまくいかず、結局、彼は破産しました。
負債は追わなかったけど、祖母は「知人を騙して負債を押し付けて路頭に迷わせてしまった……」と、ずっと苦しんでいたんですよね。

2軒目は、母が個人で開業したのですが、過剰投資で借金が返せなくなってしまいました。お店自体は黒字だったのですが、負債が大きくて返済できるメドが立たなかったんですね。で、実家に戻ることを条件に祖父母(母の両親)が借金を肩代わりしました。

3軒目が現在のお店ですが、70歳を超えて数100万円の借金を抱えている状況なので、いずれ破産せざるを得ないかもしれません。

飲食店の経営なんて、裏側は「借金との戦い」みたいなものです。

だから、「いかにうまく倒産させるか?」というのも、言ってみれば経営能力のうちなんですよね。

潰した本人は「自分が経営能力がなかったから」、「もともと流行っていなかったから」とは決して言わず、「新型コロナで経営難に陥った」と言うでしょう。
メディアも同じように報道するでしょう。

お客さんも、地元の人たちも、金融機関も同情してくれ、再出発する時は協力してくれるかもしれません。

いずれ潰れるお店を、新型コロナをきっかけにこっそり潰してイメージダウンを最小限に抑えて再出発を図るというのも、十分あると思います。

当事者にはそういう余裕もないとは思いますが、倒産は悲惨で後ろ向きなものばかりではないと、祖父母や親のこれまでの飲食店経営を見てきて思います。


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