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クエンティン・タランティーノの新作、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を観てきました。
と言っても、実際に観たのは、上映初日で2週間以上前なんですけどね。
本ブログにレビューを書こうと思っていたんですが、書く要素ことが多すぎて、頭が整理できなかったんですよね。

ここでは、この作品の背景なっているシャロン・テート惨殺事件に絞って書きたいと思います。

1969年にハリウッド女優シャロン・テート(映画監督ロマンポランスキーの妻として知られる)がカルト集団チャールズ・マンソン・ファミリーに殺害された事件をです。

この事件自体は、終わりの方に出てくるんですが、複線となるようなエピソードはその前にも出てきます。

シャロン・テートの事件事態は知っていたんですが、チャールズ・マンソン・ファミリーがヒッピームーブメントと緊密なつながりがあるってことはこの映画ではじめて知りました。

ベトナム戦争が泥沼化し、資本主義が急速に進展する中で、既存の社会秩序,体制からドロップアウトして原初的な生活への回帰を目指したわけですが・・・

その思想が過激化して、チャールズ・マンソン・ファミリーは資本主義社会の「勝ち組」であるハリウッドの大邸宅を襲撃するに至ったんですね。

タランティーノ自身はヒッピームーブメントが嫌いなようで、批判的に描いています。
彼はハリウッドの人で、ハリウッドを愛してもいる人なので、まあそうなるんでしょうけどね。

本作は、レオナルド・ディカプリオ演じるリック・ダルトンという落ち目の俳優と、その専属スタントマンのブラッド・ピット演じるクリフ・ブースの2人が主人公なんですが、この2人は下手するとハリウッドのキラキラした世界から滑り落ちてしまいかねない立ち位置にいますが、やはりハリウッドの世界に留まり続けようとするわけですね。

*** 以後、ネタバレあり ***

さて、ラストシーンを見ていても、「ああ、この映画はハリウッドのキラキラした世界を前面肯定しようとしているんだなあ」と実感させられます。

オウム真理教事件もそうですが、既存の社会に疑問をいだいて、非物質主義的な世界、スピリチュアルな世界に走っても、決して平和は得られないんじゃないかなあ・・・と思うわけです。

ちょうど映画を見た数日後、人民寺院事件に関するテレビ番組をやっていました。

ダークサイドミステリー「人民寺院事件 本当にその道しかなかったのか」

1978年に南米ガイアナで起きた、教祖ジム・ジョーンズを含め信者900人以上が集団自殺した事件です。差別のない理想郷を目指す宗教団体であったはずが、実際の教団は教祖の独裁体制で、虐待や暴力沙汰が起きていた。
視察に入った議員の一団を襲撃して殺害。
逃げられないと判断した教祖は、信徒に集団を自殺を呼びかけ・・・という話です。

北朝鮮なんかもそうですが、「地上の楽園」を目指した国家が、実際は貧困と圧制にあえぐ悲惨な社会しか実現できなかったんですよねえ。

会社を辞めてから、「この世界のどこかに、楽園みたいな場所はないものかなあ」なんて思いながら、ゆるゆる世界を回ったりしていますが、「そんなところはない!」という確認に至りつつあるし、それを目指すとむしろ悲惨な末路が待っている・・・ということに気づきつつもあります。

人って、どんなに不満があっても、いま生きている社会と何とか折り合いを付けながら、自分の居場所を探さないとダメなんだなあ・・・と思います。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の基本メッセージもそういうところにあるんじゃないかと、映画を観て思いましたよ。


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