パーソル総合研究所が行った、アジア太平洋地域(APAC)の14の国・地域における就業実態・成長意識を調査した結果が公開されていたのですが、かなり衝撃的な結果になっています。
出世欲が低く自己研鑽をしない日本特有の傾向が明らかに―パーソル総合研究所の「APACの就業実態・成長意識調査」
パーソル総合研究所、日本の「はたらく意識」の特徴を国際比較調査で明らかに 国際競争力低下の懸念。日本で働く人の46.3%が社外で自己研鑽せず
調査結果によると、日本は、
・出世意欲も管理職志向も14国・地域で最低
・起業・独立志向も最低
・仕事選びでは「職場の人間関係」や「休みやすさ」を重視
・女性・外国人への受容性が低い
・高齢になっても働きたいという意識は高い
・勤務先への満足度が低い
・勤続意向が強く、転職意向は低い(ただし、積極的に勤め続けたいとは思っていない)
ということのようです。
この結果を見ると、「モチベーションも満足度も目的意識もないまま、仕事をなんとなく続けている」という感じですよね。
これって、アメリカとか、ドイツとか、中国とか経済大国の中での比較ではないです(中国は入っているけど)からねえ。
欧米の「産業革命」(Industrial Revolution))に対して、日本では「勤勉革命」(Industrious Revolution)によって生産力を向上させたと言われています。
これは江戸時代の話ですけど、日本人の勤勉さこそが敗戦後の立ち直りと経済成長の原動力になったとか、そういう話は「常識」と言ってよい程に広く流布しています。
でも、この調査結果を見ると、全然そうは見えませんねえ。
意識調査なので、成長途上の国の方がポジティブに出る傾向はあると思いますが、それにしても日本の数値の低さは目を覆いたくなります。
崩れそうで崩れきっていない、終身雇用、年功序列がいまや日本人の勤労意識を低下させる元凶になっている気はしますね。
仕事しなくてもクビにならず、待遇もそんなに変わらないのであれば、努力も自己研鑽もしないだろうし、転職したいとも思わないだろうからねえ・・・
最近、日本の現状や将来に対して、否定的なことを書くことが多かったです。
本来は、自分の祖国に対してネガティブなことを書くのは不本意なのですが、こういう調査結果を見ると、やはり日本の未来を憂えざるをえないんですよねえ。
投資対象としても、日本株の比率は徐々に下げていっているし、今後も下げていくことになると思います。