AERA dot.に鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋という連載があります。
劇作家・演出家の鴻上尚史さんが読者の悩みに答えるのですが、下記の相談への回答が秀逸でした。
「容姿が悪く、交際経験が一度もない」47歳女性に鴻上尚史が本音で応える
人生相談なんて、そこで得られた回答は問題を解決するものでないし、意味がないもの。
僕自身はそう思ってきたし、いまもそう思っているわけですが、全部が全部そうとも言えないなあ・・・と改めて思いましたね。
さて、相談者は、性別は違えども年齢は同じなので、他人事ではないですね・・・
僕自身は「全然モテない」ということではないし、「恋愛はもう必要ない。一人でも十分楽しい人生を送っている」というところです。
そんな感じなので、僕が回答者だったら、「恋愛しないでも楽しめる道を探してはどうでしょう」と答えると思います。
でも、その回答は相談者にとっては何の解決にもならないんだと思います。
あくまでもそれは、僕自身だから可能なことであって、相談者にはそれが出来ないわけだし、そうだからこそ相談してきているということですからねえ・・・
さて、鴻上さんの回答って、厳しい現実を踏まえた上で、答えにくいことを論点を逸らさずきっちり答えているし、それでいて優しさを失わず、一筋の希望が持てる回答(あくまでも現実に根ざした上での)になっています。
この社会って、元々不平等にできているわけですが、その不平等を是正しようと努力をする(達成できるできないに関わらず)のが文明社会です。
そうした中で、恋愛というのは、いつまでも不公平なものです。
どんなに性格が良かろうが、努力しようが、外見が悪ければ圧倒的に不利になります。
男の場合(最近は女もそうかも)はお金があれば、優位性は担保できますが、「金の力でなんとかなる」ってこと自体が不平等なんですよねえ。
そう言えば、最近、芸術関連の仕事をしている、若くて綺麗な女性と知り合いました。
豊かな生活をしている様子なので、「芸術関連の仕事で儲かっているって、よほど才能があるんだろうなあ」と思っていました。
実際のところ、彼女は仕事で稼いでいるのではなく、配偶者が高額所得者のお医者さんだったんですよね。
で、彼からプロポーズされた時に「結婚しても良いけど、好きなことをやらせて欲しい」と言って、いまみたいな生活が実現しているんだそうです。
一方で、芸術の道が諦められず、会社で働きながら芸術活動をしている女性の知り合いもいます。
彼女は、外見はさほどではなく、お金を出してくれるような男もいないので、自分で何とかせざるを得ないんですよね。
恋愛するってことは、不公平な環境の中で、どう勝ち抜いていく(あるいは戦わなくても良い道を見出す)のかって世界なんですよねえ。
僕自身としては、そういう世界にあまり関わらず、平穏な日々を過ごしたいわけです。