お金持ち

ZOZO(ゾゾ)の前澤友作社長がポケットマネーで総額1億円のお年玉企画をやって、物議を醸しました。

賞賛する人もいる一方で、批判的な意見も目立ってます。

この件、スルーしようと思っていたのですが、前澤氏の行動以上に、人々の反応が興味深かったので、ブログのネタにすることにしました。

特に、反論としては、NPO法人で貧困層の支援をされている、藤田孝典氏の意見が目立ちました。

拝啓、ZOZO前澤友作様「1億円バラマキ、本当に下品です」

「下流老人」という言葉を流行語(?)にした、ベストセラー本の著者でもあります。
過去のブログで本書をレビューしたときも書きましたけど、実は、藤田さんと私は、ちょっとだけ面識があるんですよねえ・・・

『下流老人』は他人事ではない

藤田さんは、同じくZOZOの田端氏と論争されたりしていたので、こういう批判が出てくるのは、必然的な流れとも言えましょう。

僕自身は、前澤氏の行動が、良いのか悪いのかを議論する気はありません。
そもそも、物事の是非は時代や場所によって変わるものです。
経営者が高額の報酬を貰うことや、彼らへの累進課税が軽減されることは、現代の資本主義社会では一般的なことですが、資本主義社会でも、これは普通のことではなかったんですよね。

良し悪しを議論しても結論は出ないから、「どういう考え方がいまの世の中で受け入れられえているのか?」を見たほうが良いと思います。

先日レビューに書いた「ねほりんぱほりん」でも、40億円を作った仮想通貨成金の女性が、お札が撃てる銃で、飲み会で1万円札を参加者にばらまいたというエピソードが出てました。
成金って、お金をばら蒔いて、庶民がそれに群がってくるのを見るのが快感なんだろうか??と思ってしまいます。

それはさておき、一方の庶民の側は、「これだけ格差が広がる社会はおかしいんじゃないか?」「成金がばら蒔くお金なんか受け取れない!」みたいなことはあまり考えないみたいんですよね。

「私財を投じて、自分達に還元してくれて太っ腹な人じゃないのか」という意見のほうが目立ちました。
だからこそ、キャンペーンには参加者が群がり、前澤氏のツイッターアカウントのフォローは急増したわけです。

「そんなことをするよりも、非正規労働者の待遇を上げることを優先すべき」、「お金をばら蒔くなら貧困層を支援しろ」という意見は、正論だとは思います。
それをしたところで、さほど話題にはならなかったと思うし、PR効果も薄かったでしょうね。

良くも悪くも、世の中はそんな風になっているということだと思います。
格差社会の「負け組」の人たちの多くは格差を容認しており、別にそれに憤りを感じているわけでもない。
「勝ち組」が、たまにお金をばら蒔いてくれれば、それをありがたく受け取る。

いま、エマニュエル・トッドの『問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論』 (文春新書)を読んでいます。

そこに面白いことが書かれています。
歴史を動かすのは、支配者層でもなく、庶民でもなく、中産階級だということです。
このことの真偽は僕にはわからないけど、少なくともフランス革命以降はこれは成り立っていると思います(明治維新も、共産主義革命も中間層が起こした動きだった)。

結局のところ、庶民は社会の矛盾を黙って受け入れるしかないですね。

で、今回の前澤氏に対する人々の反応を見ていても、憤っているのは、中産階級の人たちのように見えます。
ただ、彼らがいくら煽っても、庶民の人はそれに追随はせず、前澤氏の「バラマキ」に群がっている。

これからの日本は、格差はどんどん拡大していくんだろうな・・・と思います。
一方で、その格差を是正しようという動きがあったところで、それは社会の潮流とはならず、格差社会は維持し続けられる。

平成がもうすぐ終わるから・・・というわけではないけど、2018年から2019年にかけて、われわれは大きな日本社会の変化の入り口に立っているんじゃないかと思います。


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