投資ともアーリーリタイアとも関係ない話題ですが・・・
「3.9+5.1=9.0」は減点対象 小学校算数の奇習に茂木健一郎が苦言“子どもたちへの虐待である”
虐待かどうかはさておき、非常に不思議ですね。
私は理系出身なんですが、減点するのは完全におかしいです。
それどころか、「9」よりは「9.0」と表記する方が科学的には正しいのです。
減点するとすれば、むしろ小数点以下のゼロを丸めて「9」とした子供の方です。
理由を説明しましょう。
科学の世界で、計測したデータは整数にならないことが多いのです。
そんな時「有効数字」という概念が登場します。
数値の記載においては、何桁までのデータが妥当(有効)のか?ということを明確にすべき、ということなんです。
実験レポートや論文を書くときに、この辺はきっちり指導されます。
上記の計算では、小数点以下1桁の計算で、有効数字は2桁。
だから、計算結果の有効数字も2桁で(小数点以下1桁まで)表記するのが適切です。
「9」と丸めてしまうと、「9.4」や「8.5」を四捨五入したものである可能性も出てしまいます。
そんな曖昧な表記は科学的に好ましくない!
ということになります。
数字だけの説明だと、良くわからないなぁ。
・・・という人もいるかもしれないので、例え話で説明しましょう。
「バスト80センチ」という女性がいるとします。
2桁で言っている以上、彼女のバストは、79センチでもなく、81センチでもなく、(ほぼ)80センチであると解釈できます。
ちなみに、79.5センチは「許容範囲」です(四捨五入すると80センチだから)。
それを、端数を消してしまう(有効数字を1ケタに丸めてしまう)と、75センチでも、84センチでも、同じ「バスト80センチ」ということになってしまうんです(!?)。
バスト75センチと、84センチでは全然違うだろう!!
おっぱい星人(死語?)でなくてもそう思うに違いありません。
だから、本来は端数をちゃんと書くことで減点するのは、おかしいわけです(!?)。
余計わけのわからない説明になってしまったかもしれませんが・・・
そもそも、教科書自体、間違いだらけなんですよね。
例えば、「平行線は交らない」「三角形の内角の和は180度である」というのは間違いで、「ユークリッド空間においては」というのを冒頭に付けないと成立しません。
ソースカツ丼の存在を知っている人にとって「カツ丼は卵でとじてある」という命題が間違いであることが明確なのと同じことです。
で、日本において正しい回答が減点されるかというと、「たとえ間違っていたとしても、権威ある人が言うことは受け入れなければならない」ということを教えるためだと思います(!?)
社会に出てみると、このことはすごく実感します。
芸能人は、スリーサイズだけでなく、測り間違えようのない年齢まで詐称していたりします。
それで罰せられることはないし、不利益をこうむることもない。
それだけならまだ良いのです。
偉い人が強力に推進しているプロジェクトに対して、「リサーチの結果、このプロジェクトの黒字化は難しいことが分かりました。中止しましょう」と、下々のものは口が裂けても言ってはダメなのです。
「社長のご子息からって無能な人を昇進させるのは間違っています」みたいなことも、口が裂けても言ってはいけません。
だから、テストで正しい解答をして、減点されるのは、何らおかしいことではありません。
子供のころから、間違ったことを受け入れる受容力、忍耐力を付けておくのは、この社会で生きていくうえでとても大切なことですからね。