ソニービル

昨夜のアナザーストーリーズ 運命の分岐点は、ソニーのCD開発に関してでした。

アナザーストーリーズ「CD開発 “不良社員”たちが起こしたデジタル革命」

これ、かなり面白かったですよ。

再放送が、8月27日(月) 午後11時45分からBSプレミアムでありますので、見逃した方はぜひ見てください。

さて、番組の内容ですが、
・デジタルオーディオの開発リーダーの土井利忠
・開発社の大槻正
・音楽プロデューサーの松任谷正隆
の3名の視点から語られています。

・経営者(井深大)はデジタルが嫌いで、開発には反対だった
・リーダーの土井が経営陣に秘密で開発を行った
・開発チームは他の部署で扱い辛いとされていた不良社員だった
・デジタルオーディオ編集機を「半年で作れ」と命じられた大槻は、不眠不休で開発に当たった。残業規定を完全にオーバーしていたが、土井の計らいで、休日もこっそり会社に来て開発に当たっていた

現在だったら、許されないことばかりですね。
明らかに労災になりますからね。
でも、開発者には夢があって、長時間労働なんて関係なかったんですね。

日本のイノベーションは現場から生まれることが多かったのですが、いまは、業績目標やらコンプライアンスやら厳しいので、現場に裁量を与えて、自由にやらせることは難しくなっています。
長時間労働が認められにくくなっているので、たとえ好きなことでも、がむしゃらにやることが難しくなっています。

あと、面白かったのが、開発成果をアピールするために、指揮者のカラヤンが来日した時に、カラヤン指揮の演奏をこっそり新開発のデジタルレコーダーに録音して本人に聴かせ、盛田昭夫とカラヤンが面会した際に、カラヤンの口からデジタルレコーダーの素晴らしさを盛田に語って貰ったそうです。
あとは、スティービー・ワンダーが編集機を絶賛したことも追い風になったみたいで、大物ミュージシャンに認めさせるということにも注力した。
技術力、商品力だけではなく、認められるためにロビー活動的なことも行ってきたんですね。

現在のイノベーションは、
・経営者がしっかりしたビジョンを持ち、トップダウンで推進する
・起業する
のいずれかでなければ難しいと思います。

前者については、日本ではそういうトップは少ないです。
後者に関しては、資金調達や失敗したときのセイフティーネットやらが整備されていないので、アメリカなんかと比べると容易ではないと思います。

iPodにしても、ソニーが開発したデジタル・オーディオとウォークマンを組み合わせたものなので、ソニーの技術で十分開発可能だったはずなのに、Apple社に後塵を拝してしまって残念です。

ちなみに、ソニー社員や元社員に知人が何人かいます。
他のメーカーと比べると、自由に意見が言えたり、若くても能力を発揮できる土壌はあるみたいですが、昔のように、世界のエレクトロニクスを主導するという、自信や矜持はない様子でした。

ソニー自体の問題もあるんでしょうが、それ以上に、会社組織のあり方が変わっていて、ボトムアップ型のイノベーションが起きにくくなっているのが大きいと思います。

CD開発の舞台裏に、ワクワクドキドキしながらも、日本の現在と未来に悲観してしまった次第です。


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