「あさが来た」が最終回を迎えました。
視聴率も高く、評判も良いようですが、たしかに面白かったですよ。
宇野常寛氏によると、
女性たちに自己実現とともに良妻賢母であることを強いてきた“平成の朝ドラ”を、この作品は完全に終わらせた
とのことです。
正しいとは思いますが、僕としては、ヒロインあさの夫の新次郎さんに注目したい。
以前も書きましたが、(あまり)働かない男性を魅力的に描いたというのが、このドラマのもう一つの革新性だと思うのです。
ただ、こういうことを言っている人は見たことはないですが・・・
実際、ディーンフジオカ演じる五代友厚の方が、「五代ロス」と言われるくらい人気がありました。
どうしても、男は「バリバリ仕事のできるエリート像」が求められるのでしょうか。
女に「良妻賢母」像を求めるのが古い考え方ならば、「社会で活躍するエリート」像を男の理想に据えるのも、古い考え方として捨て去るべきだと思いますよ。
これからは「良夫賢父」の時代だと思いますよ!
それはさておき。
僕が面白いと思ったのは、明治維新前後の金融ビジネスの変遷です。
ドラマでの中では、「廣岡浅子が日本の金融ビジネスを近代化させた」的な書き方をしていますが、江戸時代から大阪は進んだ金融システムを有していたことは良く知られています。
先物取引や手形決済など、独自の金融システムが機能していて、結構世界でも進んでいたみたいなんですよね。
ただ、明治維新で身分制度や経済環境も変わり、開国してグローバル基準に合わせざるを得なくなった。
この辺の解説を読むと、「なるほど!」と思います。
万人向けのドラマなので、あまり専門的な描写はありませんけど、近代の金融システムの変遷という視点からこのドラマを見ると、別の面白さが見つかると思います。