昨日(今日?)の深夜、NHKのEテレで『世界の果ての通学路』というドキュメンタリー映画をやっていました。
この作品、一昨年に上映され、昨年にはDVDも出ています。
にもかかわらず、恥ずかしながらその存在も知りませんでした。
おっ、やるな!
という感じの作品でした。
発展途上国の子供をテーマにしたドキュメンタリーやノンフィクションはたくさんあります。
そうした中、「通学路」をテーマにした時点で、この作品の独自性の半分は担保されたと言える。
残り半分は、対象とする子供の設定、4人の子供を並行してストーリーを展開していく手法、対象との距離の取り方・・・等々の映像の撮り方による部分かと思います。
対象とするのはインド、モロッコ、ケニア、アルゼンチンの農村部の子供。
通学距離は数キロ~数十キロ。
数時間を掛けて通学します。
途中に象が現れたり、山岳地の危険な道を歩いたりと、危険にさらされています。
そうした中、学校に通う。
家族たちは、子供の無事を祈りながら、見送ります。
彼らとは比較しようがないですが、僕も小学校の時は3キロくらい歩いて通学していました。
(バス通学が認められない、ギリギリの距離だった)
大人になってからの1キロと、小学生、特に低学年の時の1キロでは全然意味が違うんですよね。
いまの感覚で、7~8キロくらい歩くくらいの遠さだったと思います。
通学途中に野良犬に追いかけられたり、酔っ払いに絡まれたり、台風の後に冠水した道をじゃぶじゃぶ歩いたり・・・とそれなりにスリリングでした。
自分のことではないですが、ふざけていて川や畑に落ちた子供もいました。
厳しかったですが、いまとしては思い出深いですね。
自分の話題でスミマセン。
話を戻しましょう。
通学する当人にとっては大変ですが、通学路の自然は凄く美しんですよね。
雪をかぶった山脈があったり、野生動物の群れがいたり、川が流れていたり。
映画の最後に子供が夢を語ります。
「貧しい人たちのために尽くしたい」
「パイロットになって、いろいろなところに行きたい」
説教臭い大人が見ると、「いまの日本の子供は恵まれ過ぎている。それなのに、ちゃんと勉強しないのは情けない」みたいなことを思うでしょう。
でも、しょうがないんですよね・・・
発展途上国は「学校に行きたくても行けない」という不幸があるなら、先進国は「学校に行きたくないのに行かなければならない」という不幸がありますからね。
僕も小学校時代は、学校に行くのがイヤでイヤでしょうがなかったですからね。
でも、映像を見ていて、学ぶこと、さらには学ぶことを通して未来に夢を持つことは大切だなあ・・・と痛感しました。
いまの子供のことを嘆くより、大人が自らそれを実践することの方が大切だと思いました。