昨夜、NHK BSの『フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿』で野口英世の特集をやっていました。

科学者 野口英世

野口英世と言えば、日本では知らない人がいないほど、有名な医学者・科学者ですが、現在では、彼の研究成果の多くが間違いであったことが実証されています。

要するに、「偉人」として称賛されるほどの実績はないということなんですよね。

ベストセラーになった福岡伸一氏の『生物と無生物のあいだ』という本にもそのことに言及されていました。

番組では触れられていないことですが・・・
人間性の面でも、野口は決して「偉人」と言えるような人物ではない。

これまた、ベストセラーになった渡辺淳一の小説『遠き落日』にも書かれています。

番組に戻りましょう。
この番組では、野口英世が間違ったのは・・・

  • 貧農の出身で、正規の教育を受けておらず、正当な研究手法を身に着けていなかった
  • 自己顕示欲が強すぎて、有名になることを優先するあまり、研究成果を十分検証することなく発表してしまった。また、自分の誤りを認めることもでなかった

というところらしいです。

たしかに、貧農から努力して勉強し、単身海外に渡ってノーベル賞の候補になる程の実績を上げた(後で間違いが実証されたが)という点では、立身出世物語としては、非常に面白いですね。
いまだに、1000円札に肖像が載っているくらいですからね・・・

逆に、それが仇となって、膨大な努力によってなされた研究成果が否定されるに至ったんですから、皮肉と言えば皮肉なものです。

この番組を見ていて思ったのは、『えんとつ町のプペル』で良くも悪くも話題になっている西野亮廣氏や、不祥事が頻発している一方で、億万長者も輩出しているYouTuberも同じような感じかなあ・・・ということです。

いま有名になり、名声を浴びていても、いくら成功して大金を稼いでいても、大半の人は、何年か経つと「あの人、何した人だっけ?」みたいなことになるんでしょうねえ。

20年近く前のブログブームの時も、「誰でも情報発信ができる」ということで、多くの人がブログに参入し、一部のブロガーのコンテンツは「ブログ本」として出版されました。
ただ、いまでも残っているようなコンテンツは僕が知る限りないし、いまでも生き残っているブロガーは、もはやブログ以外のところで稼いでいたりします。

金持ちと有名人は出たけど、将来に残る物はなかった・・・みたいになっているんですよね。

歴史の長さが違うので、単純な比較はできませんが、映画やテレビでは、少数ながらもちゃんと残っていたり、未来に継承されたりしています。

まあ、別にYouTuberや西野氏(一緒にするのも良くないか)が将来への資産を残すために活動しているわけではないんでしょうが、僕自身としては、「その場で消費されて終わってしまう物ではなく、長く鑑賞に耐えうるものを創って欲しい」と思いますし、そういう視点から、人なりコンテンツなりを評価して欲しいとも思います。

まあ、野口英世にしても、ちゃんとした科学的手法に則って研究していたら、もう少し現在でも残る成果が得られたかなあ・・・と思う一方で、現在まで名前が残ることも、1000円札に載ることもなかっただろうと思うと、どっちの人生が幸せだったかというと難しいところですが。

まあ、野口英世は、いい加減、お札の肖像や偉人伝から取り下げないとダメなんじゃないの!?
とさすがに思いますが。
(今度の新札では、実績のある北里柴三郎が採用になりましたから、是正はされてますがね)


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください