会社員

『半沢直樹』の後半(『銀翼のイカロス』)が始まりましたね。

ストーリーは、JALの破綻と再建が下敷きになっているのは明らかですが、ノンフィクションではないし、面白くするためにかなり事実から改変されているなあ・・・と思います。

事実と小説・ドラマがどう違うかを見ていけば、原作者の池井戸潤氏や、ドラマ制作者の方々にどのような意図が込められているのかが、見えてきます。

池井戸潤さんって、0から1を生み出す人と言うよりは、1の部分を膨らませて面白くしていくタイプの小説家だなあ・・・と思います。

ドラマは凄く面白いのですが、違和感を覚えるところもありますね。

『半沢直樹』に限らずなんですが、池井戸さんの作品って、モノづくりに対する絶大な信頼があって、「職人」を尊ぶ志向がありますね。

『下町ロケット』なんか特にそうです。

後は、「経営者よりも現場が会社を引っ張っていくんだ」という意識の強さです。
昨日の放映では、そのことが強く出てましたねえ。

前にも紹介した、第二次世界大戦の日本の敗戦を分析した『失敗の本質』を読んでも、指導者は無能だが、現場は優秀・・・という傾向が見て取れます。

会社員時代に、JALの破綻と再生劇について調べたことがあります。
(と言っても、公表ベースの文献を調べただけですが)

たしかに、破綻前でもJALのサービスはさほど悪くはなかったし、社員の方々のモチベーションも高かったかなあ・・・とは思います。

ただ、客室乗務員の友人なんかは会社負担でタクシー使いまくっていたし、明らかに高コストな運営をしていたんですよねえ。

ドラマを見たり、小説を読んだりしている人たちにとっては、「現場のあなたたちはちゃんとしているし、優秀ですよ」と言ってもらいたいだろうし、自分に代わって上層部に活を入れてくれる半沢直樹に胸をすくような思いをしているんでしょうねえ。

ただ、会社っていうのは上から腐っていくというのは事実ですが、現実はドラマで描かれているよりも、下まで腐っていたんじゃないか……と思えるんですよねえ。

僕が中心的調べたのは、稲盛さんが経営者として招聘された後の、再建の過程ですが、稲盛さんの強力な指導下で、現場の人たちも血を流しながら、一丸となって再建の努力をしていた姿がうかがえました。

戦後からバブルまでの日本企業を見ても、松下幸之助、盛田昭夫、本田宗一郎みたいなビッグネームはもちろん、優秀な経営者はたくさんいたし、現場の人たちは人たちで、優秀で勤勉な人たちが下支えしていました。

池井戸さんが描くような「現場主義」は、日本人にとってはシンパシーを覚えやすいし、そこでのドラマは胸が熱くなるところもあるんですけど、いまの日本に必要なのは、優秀な指導者の方だと思うし、世界的に日本の存在感が薄くなっているのは、そこが弱いところが大きいと思うんですよね。

政治家しかり、経営者しかりですけどね……

『半沢直樹』みていても、東京中央銀行の頭取はじめ、経営陣が変わらないと、中間管理職以下が頑張っても限界あるんじゃないかなぁ……と思っちゃいます。


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