アーリーリタイアブログで話題になっている、『魂の退社』という本があります。

「アフロ記者」こと、元朝日新聞社の稲垣えみ子さんの著作です。
何かというとバッシングを受ける朝日新聞ですが、稲垣さんは例外的に評判の良い方でした。

その稲垣さんが50歳で会社を辞めた顛末が綴られています。
元記者だけあって、文章力があります。
表現力が特別優れているわけではないのですが、伝えたいことをきっちり言葉にして語ることのできる人だな、と思いました。

稲垣さんは独身で、朝日新聞社時代は高給取りだったので、贅沢な生活をされていました。
ところが、社内の出世競争に疑問を抱くと同時に、お金を使わなくても満足できる生活ができることに気付いた。
それで、会社を辞めることを決意するんですよね・・・

稲垣さんの考え方は、非常に共感できるものです。
節電で有名な方ですが、最後には冷蔵庫まで捨ててしまう。
保存がきかないとなると、その時その時に必要なものだけ買うようになる。
服も同様で、着るものだけ保有すれば、その日その日を十分満ち足りて生きることができる。

あれ? と思ったのが、会社を辞める前後の話です。
退職金に税金がかかることも知らなければ、失業手当が貰えるかどうかも良く知らない。
辞めた後で驚かれていますが、僕にしてみると「どうして自分で調べないのかな」と思います。
スマホの契約しかりで、会社員時代は会社で支給されるものを使っていたので、自分で契約したことがなかった。
家電量販店に契約に行くと、お店の人に勧められるがままに契約して、結局は割高になってしまう。
うーん。
まあ、普通の会社員はこういうものなのかなあ・・・と思います。

僕の友達は、良くも悪くも細かい人が多いので、こういうことは自分で良く調べています。

あと、周囲の人たちに「会社を辞める」と言われると、「もったいない」みたいなことを言われたという話がありました。
周囲の人たちはみな、会社に勤めることが当たり前だと思っており、それに外れることは特殊なことと捉えている。

僕の場合、実家は自営業だし、周囲の人も転職経験があったり、フリーで働いている人も多いです。
何人かの友人には「会社辞めるよ」と言いましたが、「ふーん」くらいな反応です。
稲垣さんとは状況が違います。

後半に、朝日新聞社を辞めた後のことが書かれています。
フリーで文章を書いているのですが、原稿料の安さに不満を抱きます。
でも、ふと気づくと、新聞社時代には、稲垣さんは高給を取り、下請けのライターを安く使う立場だったことに気づく。
自分が既得権益で守られていたことに気づくんですよね。

実際の会社(得に大手)って、大抵そうですよね。

特に何かのノウハウが得られるわけではないけど、セミリタイアした先輩と飲んで語りあっているような、そんな良書でした。
会社辞めようと思っている人は、どういう選択をするにしても、読んでおく価値はあると思います。


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