鐘ヶ淵のガイドツアーに参加してきました。
東京都民でも「鐘ヶ淵ってどこだよ?」という人は多いと思います。
僕も、七福神ツアーに参加するまで、知らなかったんですよね。
場所は墨田区の東の端の方です。
浅草から東武スカイツリーラインに乗り換えて4駅。
スカイツリーよりさらに先。
マイナーな場所なんですけど、下町感満載で、結構面白いんです。
しかも、ここは意外に歴史スポットだったりもします。
伊勢物語の業平が東下りでやってきたという説もあれば、歌舞伎や能で有名な梅若伝説(人買いにさらわれた子供の悲劇の物語)のあるところです。
今回はモニターツアーということで、無料でした。
地域振興施策としてやっているのか、テストマーティングとしてやっているのか分かりませんが。
地域資源発掘型実証プログラム事業 鐘ヶ淵絵巻パレードイベント及びモニターツアーの開催について
無料!ってことで飛びついたんですが、もちろん、地域に眠る隠れた歴史を知りたいという思いもありました。
実は、この鐘ヶ淵、旧東海道が通っていたところなんですよね。
源頼朝が平家討伐のために大軍勢を連れて街道を通って隅田川を渡ったとか、
徳川家康一行が鷹狩に来たとか、
葛飾北斎が描いたスポットがあったりとか、
凄く歴史に所縁がある地なんですよね。
「なんでこの地は歴史スポットなのか?」と思っていたら、「旧東海道をはじめとする街道が交差している交通の要所だった」ということになります。
まさに、ブラタモリ的な知的好奇心を刺激されます。
ただし、いまの旧東海道はこれ。
ただの道です。
歴史的なゆかりのある隅田稲荷神社。
「神亀に乗った御祭神が隅田川東岸に突き出た浮洲の丘に鎮座した」という伝承があるらしく、狛犬ではなく、狛亀(?)があしらわれています。
こういうの、僕好きなんですよね。
トリビア的に珍しいもの。
写真見ていただくとお分かりですが、神社のバックは隅田川沿いに高速道路が走っています。
しかも、さらに内陸に入ると、都営白鬚(しらひげ)東アパートという巨大団地群が鎮座していて、二重に隅田川の景観を遮っています。
集合住宅マニア(そんなのいるのか?)の間では有名なようです。
なんでも、その距離は1.2キロにわたるとか!
昭和47~61(1972~1986)にかけて作られたそうなんですが、防災のためのマンション群なんだそうです。
火事が起きて延焼しても、このマンションで食い止められて、人々は隅田川沿いに逃げる・・・
でも、いまは木造住宅も少なくなっているし、広い461号線が間にあるので、こんなに重層的な防火設備が必要なんだろうか?
と思います。
ちなみに、以前はカネボウの大工場が川沿いにあったそうです。
何を隠そう、カネボウは「鐘淵紡績」の略なんですよ!
ということで、歴史的には所縁がありながらも、文明の発展によって見る影もない観光地のツアーでした。
ただ、逆にガイドツアーでないと気付かない知識や情報が多々得られて、その点では非常に有意義なツアーでした。
ツアーの参加者は、若い人も少数いましたが、大半がおじいちゃんおばあちゃん。
無料だからと言って、連休の中日に鐘ヶ淵のツアーに来ようという若者はさすがにいないか・・・
僕は、旅行は大好きですけど、近くで埋もれた歴史や地域の記憶を発掘してみるのも、かなり楽しい時間の過ごし方です。